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有栖川有栖『双頭の悪魔』ネタバレ解説

有栖川有栖
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始めに

始めに

有栖川有栖『双頭の悪魔』についてネタバレ解説を書いていきます。

語りの構造、背景知識

交換殺人トリック

 本作品は交換殺人を扱う内容になっています。このジャンルには法月綸太郎『キングを探せ』など独創的な内容の作品も多いですが、本作の特徴的な要素は真犯人(香西)による交換殺人の仲介という点です。香西は本来は直接手を下さない意図のもと八木沢満と室木典生による交換殺人を仲介したものの、口封じのために八木沢を殺します。

嗅覚障害トリック、闇の中の匂いトリック

 相沢に殺された小野は嗅覚障害を患っていました。そのことは今日の食事がカレーであることに鍋の中を覗き込むまで気が付かなかったことに現れています。暗闇の鍾乳洞の中を灯りをつけずに小野を追跡できたのは、香水を小野につけて、その香りを辿るというものでした。

 泡坂妻夫『11枚のとらんぷ』や、貫井『被害者は誰?』の「探偵は誰?」などと類似のトリックです。

 

物語世界

あらすじ

 四国山中に孤立する芸術家の村へ行ったまま戻らない有馬マリア。英都大学推理研の一行は大雨のなか村への潜入を図るものの、ほどなく橋が濁流に呑まれて交通が途絶。川の両側に分断された江神・マリアと、望月・織田・アリスたち。双方殺人事件に巻き込まれ、二つの事件が繋がっていきます。

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